3歳以上の犬の80%は歯周病を患っていることが報告されており、放置すると全身の臓器にも悪影響を及ぼします。
また、歯石は汚れが歯に付着してから3〜5日で形成されていきます。
そのため、習慣的なデンタルケアと定期的なチェックを行い、歯の健康状態に異常があれば早期に対処することが大切です。
本記事では、当院でも多くの症例がある、犬の歯周病の症状、診断、治療方法などについて解説していきます。
犬の歯周病の症状について
犬の歯周病の症状は、歯の症状以外にも以下のようにさまざまな症状が見られます。
■犬の歯周病の症状
・歯茎の炎症、腫れ
・歯石形成
・歯のぐらつき
・口臭
・よだれ
・鼻炎、くしゃみ
・根尖膿瘍
・顎が溶ける、骨折
歯周病の症状は歯のぐらつきや歯茎の腫れ以外にも、口臭やよだれなどの症状も認められます。
また、歯周病により歯の根本が溶け、細菌が感染していくと鼻炎やくしゃみなどが見られることがあります。
さらに、歯周病が進行すると頬の骨や皮膚を溶かす根尖膿瘍が起こったり、顎の骨が溶けて脆くなってしまったりすることもあるでしょう。
そのため、歯周病は見つけた時点で治療を行ってあげることが大切です。
犬の歯周病の診断について
犬の歯周病の診断では、身体検査により、口腔内をしっかり観察することが大切です。
歯茎の腫れや炎症、歯石の形成が重度に起こっていないかどうかを確認しましょう。
また、口腔内腫瘍がある場合もありますので、歯茎以外にも喉、舌などの部分も観察してあげましょう。
さらに、歯周病の重症度を判断するためには、レントゲン、CT検査などの画像検査が有用です。
これらの画像検査では、外見上ではわからない歯の根本の様子を観察することができます。
根本が溶け始めていると、鼻炎や根尖膿瘍を引き起こすので、歯を抜かなければいけなくなる可能性もあるでしょう。
犬の歯周病の治療方法について
犬の歯周病の治療法は、以下のようなものが考えられます。
・麻酔下でスケーリング(歯石除去)
・麻酔下で抜歯
・抗生剤による対症療法
犬の歯周病の治療では、基本的に麻酔をかけてスケーリング(歯石除去)や抜歯を行います。
スケーリングでは、歯の表面にある歯石だけでなく、歯周ポケットの中にある歯石まで取り除くことが大切です。
高齢犬など麻酔リスクが高い犬や飼い主さんが麻酔をかけた処置を望まない場合には、抗生剤を投与して歯の痛みや鼻炎などの症状を和らげていきます。
しかし、対症療法であるため再発するケースが多く見られます。
高い治療効果を得るためには麻酔下でのスケーリングや抜歯が必要となるでしょう。
まとめ:犬の歯周病は早期に対処しよう
今回は、犬の歯周病の症状、診断、治療について解説しました。
犬の歯周病は、非常に多い病気であり、口臭やよだれ、鼻炎などで犬や飼い主さんを悩ませます。
そのため、獣医師としてデンタルケアの習慣など歯の健康状態を保つ指導を行い、診察時にもしっかりと歯周病のリスクがないか確認することは大切です。
早期に対処してあげることで、歯周病の悪化を防ぐこともできます。予防や早期発見・治療で犬の歯の健康を守れるように日々、口腔内のチェックを行ってあげましょう。
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